【おすすめポイント】
①美しくも恐ろしい異空間ゴルジュ!
赤味がかった粘土質の地層、苔に覆われた壁がゴルジュ内に広がります。水中には踏むとスポンジのような感触のエメラルドグリーンの水苔が広がり、美しくもどこか恐ろしい異空間です。
②ボリュームたっぷり!
滝の登攀に手強い高巻き。1日しっかり遊べるボリュームたっぷりな沢。時間が厳しくなったら林道までは距離は短いので、ゴルジュを抜けきらずに気合いの脱渓も可能。
【コース概要】
【山行記録】
2025/08/03 晴れ曇り

天狗山第四駐車場からスタート。
第五駐車場の方が数百メートル山に近いですが、そちらは車中泊専用且つ有料駐車場です。(第四は無料)

登山道に向かう途中の谷沢川。恐ろしい色をしています。

1時間ちょっとで入渓ポイントです。
駐車場は涼しかったのですが、登山道は背の高い笹が生えていて風が通らず汗だらだらです。

まずは毒水沢を下降していきます。
最初はゴーロ歩き、そしてすぐにゴルジュっぽい雰囲気に。

険しい景観ですが、クライムダウンは特に難しくないです。

20分ほどで大沢川との出合いです。
入口から異世界感満載。ここから遡行していきます。
(ちなみに地形図を見るとここから下降もゴルジュ帯の様子。)

入口すぐの2条滝。
毒水沢とは違い水が澄んでいます。そして冷たいです。
エメラルドグリーンの水がなんとも妖艶。

泳いで取り付きます。

左側を登ります。続いて私。
夫がすんなり登ったので軽い気持ちで取り付いたら水圧強くて、結構苦戦しました。
登りながら溺れるかと思いました。

次の2条滝。
こちらは階段状で容易です。

その後もゴルジュ内を進んで行きます。
壁に苔がびっしりついているのが美しい。北海道の電気の沢を思い出しました。

ちょっと開けている所もあり。

20mくらいの滝。
こちらは少し戻ったところから左岸を巻きました。
この沢全体を通して言えることなのですが、人があまり入っていないので巻き道は明瞭な踏み後がなく、ドロドロな粘土質の土、或いはヌルヌルな岩の上を進むことになり、巻きが手強いです。
ここの高巻きは必死に笹を掴みながら登りました。最後は歩いて降りられそうでしたが安全のため懸垂で降りました。

20m滝の先はお手軽な滝があったり。
恐らく下部ゴルジュは先ほどの20m滝で終わり。

上部ゴルジュへ向けて、中間の緩流部を進みます。
途中15分ほどご飯休憩をしました。
中間部では途中登山道と交わるポイントがあるのですが、気が付かずに進んでいました。

上部ゴルジュに到着。平凡なゴーロ歩きに飽きてきていたので楽しみです。
上部ゴルジュは銚子の伽藍を思い出す雰囲気でした。
最初の滝はフリーで突破。

この2条滝は左壁から登りました。

こんな滝が出てきたり。

こんな滝も。

半周ほど壁をへつって越えた滝。
このへつりが今回の沢の中で一番楽しかった。

途中までは登れる滝が続きます。

登れる滝と登れない滝が交互に出てきたセクション。
登るのもヌルヌルで悪いし、巻きも悪いし。
神経をすり減らすような巻きが続き、この一帯を超えたころにはひどく疲れてしまいました。また気持ちだけではなく時間も長くかかってしまいました。

大きく高巻きして、滝を一気に巻いちゃうのもありだったかもしれません。
途中から『巻くほうが時間がかかっているのでは?』という気持ちになってきて、なるべく滝を登るようにしました。

クラック滝。
泳いで取り付き、左のクラックをカムエイドで進みました。(120cmスリング、カム#0.2,0.3)
ここが核心滝と書かれているのを読んだけれど、個人的にはここよりも他の高巻きとか滝の方が怖かったし時間がかかりました。
これで終わり!と思っていたらこの後も滝が続き、もう疲労困憊。
2.3mのCS滝をロープ無しで登っていたらリップでヒールが外れて落ちてしまい、膝と顎を岩に打ち付けてしまいました。
ここで完膚なきまでに意気消沈。行けると思ってしまったけれど、大反省。生きていてよかった。結局CS滝は左からエイドで突破。
クラック滝から1時間以上滝に次ぐ滝で(多分3.4個だったと思うけれど、感覚的にはもっと多く、永遠に感じた。)最後は『もう出てこないで!』と本気で願いました。
巻くと時間がかかりすぎるので必死こいて滝を登っていきました。

最後は穏やかな渓相になって、芳ヶ平ヒュッテまで詰めずに左の支流から登山道に上がりました。
時間が押していて18時になってしまったので、登山道で着替えて急いで帰ります。

結局最後はヘッテン下山。途中から雷ゴロゴロ鳴っていて怖かったです。
久しぶりに1日フルで遊びました。(一ノ倉沢4ルンゼ以来?)
ヘトヘトになって東京まで帰りました。
【アキの一言】
『なんか良さそう!』と深く調べずノリで突っ込んだ大沢川。
調べた記録では『巻きは容易』くらいな書き方だったので、困ったら巻けばいいやと思っていたらびっくり、巻きがめっちゃ悪かった。人気の沢・本に記載のある沢にばかり行っているから、人があまり入らない沢の巻きの悪さ(踏み後なし、笹藪漕ぎetc)を経験しました。
沢から帰ってきた直後は『大沢川めっちゃしんどかった!』と思ったけれど、落ち着いて考えてみると、滝の登攀自体は他の沢の方が難しいし、結局『巻きが肉体的にも精神的にも辛かった』という感想です。巻くたびに体中ドロンコになって疲れました、本当に。
けれどもクラック滝以降はなりふり構わずエイドしまくりだったので(私は)、エイド能力があがった気がします。
温泉の湧き出る毒水沢の隣ですがこちらの水は『雪解け水か?!』と思うほど冷たく、また透明度も高めでした。でも沢の水が口に入ってしまい飲んだら不味かったので、こちらの沢も有毒なのかもしれません。
またキャニオニング支点が何か所かあり、当日も4人組のキャニオニングチームに出会いました。キャニオニングで人気の沢のようです。
ドロドロになったし、へとへとになったけれど、苔と粘土質のゴルジュは美しくもどこか恐ろしい姿で、異空間を楽しめました。
【コースタイム】
08:05 – 駐車場 – 9:15 毒水沢入渓ポイント – 9:40 入渓 – 10:00 大沢川出合い – 11:40 下部ゴルジュ終わり- 12:45 上部ゴルジュ – 18:00 脱渓 – 18:20 下山開始 – 19:55 駐車場
【装備】
ラバーソール 30mロープ カム#0.2~0.75 ボールナッツ#1~3



