【おすすめポイント】
①大迫力の大滝登攀!
不動七重ノ滝はその名の通り滝が7段に分かれている、総落差約160mの滝。遠目から見ても『日本の滝百選』に選ばれる不動七重ノ滝は迫力満点。
特にF5の大滝は大迫力で『本当にここ登れるの?』という感じ。爆音を立てて流れる滝の中を登る大迫力のクライミング。
②総合力が試される!
滝幅が広すぎてルート取りに悩む滝登攀。異常にヌメる岩。滝へ取りつく為の泳ぎ。F6.F7の踏み跡の無い高巻き。
登攀力だけではない、チームとして総合力が試されるルート。



【コース概要】
【山行記録】
2025/08/26 晴れ
大峰沢トリップ6本目。
白川又川下部ゴルジュ、池郷川下部ゴルジュ、前鬼川、立合川、葛川本流に続いて前鬼不動七重ノ滝へ。
東京を出発する時にチェックリストに入れていた沢は概ね行けたけれど(池郷川中部はヒルが多くて行けていないけど)『どこか丁度いいパンチの効いた一本を登りたいよね』という話になり沢を探していました。
友達のKみねっちに相談したところ『登攀系なら前鬼不動七重ノ滝が良いよ』とお勧めされたので教えてもらった翌日、前鬼不動七重ノ滝へと向かいました。
しかし前日の夜調べれば調べるほど『これ難しすぎるのでは?』『この人たち数年がかりで登ってるじゃん』『あ、この人4段クライマーじゃん』とかどんどん怖気づいてしまう私。微妙に寝つきが悪いまま朝を迎えてしまいました。

不動七重の滝森林遊歩道の駐車スペースに車を停めて出発です。
入渓点まで近いのでここで着替えていきました。また荷物を軽くするため脱渓後も着替えずに下山することにして、服は車に置いていきました。
ヘルメットのバックルの調子が悪く、気持ちが限りなく後ろ向きだったこともありノロノロ準備をしていたら夫に置いていかれました。

駐車スペースから20分ほどでF1に到着です。
F1は左から登って行きますが、まず左壁に行くために泳ぐ必要があります。
今回は水量も多くなかったので問題ありませんでしたが、釜の巻き込みが強いとのことだったので極力へつりながら進みました。
ライフジャケットは当日の朝まで悩みましたが登攀で邪魔になるので持って来ず、念のためロープは付けて取りつきました。
左壁に移った先にある、大き目な岩に支点を取ってビレイ点としました。
F1はヌメりが特に酷い滝でした。夫がタワシ職人と化しながら進んで行き、テラスでピッチを切りました。(下から20mくらいのところ)

2ピッチ目も変わらずヌメりが酷いです。
タワシ職人の夫が慎重且つ確実に登って行きます。
私もフォローで追いかけますが、掴んでいた岩がもげてフォールしました。トラバース気味に進んでいたのと、ロープの伸縮も相まって緩やかにグラウンドフォールしました。(無傷だし、夫も落ちたこと気が付かないようなレベル)
夫もこのピッチでは動く岩があったとのことなので、少し弱い岩が多いのかもしれません。私は明らかにやばいかも、というのを掴みましたが。(掴むな)
結局F1に1時間半ほど費やしました。

F1を登るとF2~F5までを一望することができます。やはりF5がかなり大物。
F2は右壁を登るので右へと渡渉しました。
足元がヌメヌメで落ちたらF1をウォータースライダーすることが確実なため、びびりまくった私のためにここでもロープを出しました。
水の上に出ている岩はヌメったけれど、水中は足も着くし水中の岩はヌメらなかったので結果ロープは要らなかったです。
F2は右壁の草が生えているようなところを登りました。F2は階段状で、F1よりもヌメらなかったです。

F3,F4は短いので右壁を一気にまとめて登りました。
こちらも階段状でF1よりヌメりも少な目でした。

F4を登りきると目の前にF5。爆水・爆風で水飛沫が当たり寒い。
『F5到着時点で13時を回っていたらここで切り上げる。』
『F5到着時点で苦戦していたら時間に限らず切り上げる。』
という弱気な私との約束事があったのですが、まだ朝の10時だったのでそのまま進むことに。

まずは取りつきへ向かいます。右壁から登って行きます。
夫が最短ルートを狙って行きましたが行き詰まり、一旦立て直し。
結局右から林道に行き当たるほど大きく登り、そこから滝見学用(?)の踏み跡を辿って降りて行けば取りつきのテラスまで容易に進めました。
最初テラスまでのアプローチの仕方が分からなかったので、無駄にここで時間を使ってしまいました。

F5のテラスまで来ると目の前に夫がいるのに爆風と爆水で怒鳴るように喋らないとお互い声が聞こえないほど。
ルート取りが不明でしたが、次に登るであろうフレイクが見えているのでそこを狙って滝の中に突っ込みます。

1P目は滝に向かってトラバースして爆水を浴びながらのシャワークライミング。
滝の中に完全に入るので夫の姿が見えなくなります。『もう信じるしかねえ!』て感じですが、時々滝の間から夫が見え隠れ。気が付いたら無事に突破。
私も続きます。滝から水が流れてくる時には『ドドド…ドドドッ….』とリズムがあるのでうまくリズムに合わせて行きます。水の勢いが強い時にザックに水が当たるとザック事吹き飛ばされそうです。
このピッチはヌメりもなく、クライミングとして一番楽しく、且つ一番簡単でした。
F1のヌメヌメの登攀では『苦行じゃん、これ何が楽しいの』って感じだったけれど、F5の1P目は『ずっとこれなら楽しいのに!』となりました。

1P目が簡単だったので二人とも上機嫌だったら、2P目が大変。難しい。
出だしから曲者で、その後は簡単かと思いきやクラックも難しかった。
レイバックが良いのかジャムが良いのか迷ったけれど、意外とクラック区間が長いので結局ジャムきめながら登りました。
途中からリングボルトが沢山あり、カムも決めやすくなっていきました。ただクラック内が埃っぽくて何度もゲホゲホしました。
シンプルに『自分クライミング下手だな~』と感じながら登りました。登り切ったらヘトヘト。
F5は3Pに分ける人も多いと思うけれど、私たちは2Pで上がりました。ただ滝の爆音でホイッスルも聞こえにくくて、めっちゃ腹から吹きました。

F5上からF6は見えず、一旦ロープを閉まって動きます。

F6はスラブ。これは厳しいということで、ここから高巻きしていきます。
事前の調べでF6からの高巻きが非常に難しく、4時間以上かかっているチームが何組かいたので正直一番懸念していたのがこの巻きです。
F6の左壁側まで進み、2人でルートを検討します。目印になるような木や意識する点を共有しました。

滝の右のルンゼっぽいところから巻き始めました。
途中からロープを付けてリード&フォローで進んで行きました。

F7も一気に巻きます。
想定よりもすんなりと進み、2時間ほどでF7上まで行くことが出来ました。

F7上で少し休んで、無事完登したことを喜びます。明るい内に帰れそうでとても嬉しい。

ここから30分ほど沢を進んで行きます。
難しいところがあるわけではないけれど、大きな岩があったり、ヌメったりするので暗かったら結構しんどいだろうなと思います。
最後はガードレールが左手に見えてくるので、適当に良さそうなところから脱渓。

『あそこ登ったんだ~』と感慨深く眺めながら下山。
道路に出てから15分ほどで駐車スペース。
【アキの一言】
今回は『ちょっと私たちには難しい?』と思っていたけれど、無事完登できて感無量。
前日に滝のことを知って碌に準備も調べも出来ていなかったのに、無事登れてうまくいきすぎ君でした。
F6からの高巻きでは登りだす前にルート取りについて2人で確認して考えを共有できていたのが成功のカギだったなと思います。
F6の高巻きをしっかり2人で見て目印を付けられたこと、どうしても『沢へ、沢へ。』と下って行ってしまうけれど『大きく高巻く』ことを意識し合えたこと、そしてロープを出したこと。
ロープがあるだけでルート取りはだいぶ変わったと思うし、それに安全を確保しながら進めたのは良かったなと思います。途中で『次は上かな?』とか少しでも疑問に思ったら立ち止まって2人で決めて動けたのも良かった。
F5までの滝の登攀は私はなんの役にも立っていないけれど、最後の最後で少しは役に立てた気がして嬉しい。
下山後Kみねっちに連絡したら『猛者しかトライしないような滝だったからちょっと心配だったけど流石!』と返事が来たけれど、それは先に言って欲しかったぞ!!
翌日は簡単な沢に行く予定だったけれど、しっかりお腹いっぱいになったので今回で大峰の沢登りトリップは終了。
天気にも恵まれ、楽しい生活だった!
【コースタイム】
06:50 駐車スペース – 07:10 F1 – 8:50 F1上 – 10:00 F4上 – 13:40 F5上 – 16:25 F7上 – 17:15脱渓 – 17:30 駐車スペース
【装備】
ラバーソール 50mロープ カム(#0.2、0.3~0.75*2、1~2) ボールナッツ(#1~3) ピトン(未使用)



