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レインウェアの基礎知識! vol.2 【メンブレン】

前回の記事ではレイヤーや防水透湿素材の仕組みについて学んでいきました。

今回はその中心的存在【メンブレン】についてみていきます。

『防水透湿素材と何が違うの?』『レイヤーとは別の話?』『膜???』『カタカナ英語難しい!』て思いますよね。

でも大丈夫。この記事を読み終えるころには『メンブレン?ああ、あれね!』って言えるようになります!その正体を探っていきましょう!

目次.


1.防水透湿素材の製法は?

前回みてきた【防水透湿素材】にはその作り方に「コーティング法」「メンブレン法」の2種類があります。


コーティング法生地の裏にポリウレタンなどの樹脂を塗る方法。

現在はレインウェアと言えば『メンブレン法一択!』という感じですが、ひと昔前までは安価に製造できることからこのコーティング法の製品が多く存在しました。

メンブレン(フィルムラミネート)法生地と生地の間、または生地そのものに防水透湿の膜(フィルム)を貼る方法

メンブレンタイプは、基布(ナイロン、エステル、ナィロン混紡の織編物)に微多孔を有するPTFE(ポリテトラフルオロチレンフィルム)あるいはウレタンフィルムを貼り合わせたものです。

このメンブレンタイプにはフィルム面の片側に織物を融合わせた『2層タイプ』と、フィルムを織編物でサンドイッチ状にラミネートした『3層タイプ』があります。これが前回出てきた2レイヤー、3レイヤーというやつです。

つまり今回のテーマである”メンブレン”とは【『防水透湿性能』を備えた膜(メンブレン)】のことです。

3レイヤーは【表地+防水透湿素材+裏地】と表現されますが、細かく言うと【表地+防水透湿性能を備えたメンブレン(膜)+裏地】ということになります。

次の章からメンブレンに関して詳しく見ていきます。

引用元:モンベルhttps://www.montbell.jp/generalpage/disp.php?id=794

2.PTFE(ePTFE)メンブレンとは?特徴と仕組み

 PTFE(ePTFE)ラミネートタイプ:撥水性と耐水性、透湿性に優れたモデル。

世界で最初に開発された防水透湿素材「ゴアテックス」もこれに該当します。

PTFEはテフロンと同義で、テフロンとは米デュポン社の商標であり、フライパンのフッ素樹脂加工と同じものです。つまりフライパンに使われているだけあり、衣料用の素材としては相当強靭です。

さらにゴアテックスの話をすると、1976年に発表された防水性と透湿性を同時に備えたゴアテックス(第1世代)は、汗に含まれる体脂や整髪料の付着により防水性能が低下する問題があり、その欠点を解決したのがゴアテックス(第2世代)です。

第二世代ではPTFEの持つ撥水性能に撥油性能を組み合わせた複合構造からなるもので、撥油性能を有するフィルム面でコンタミネーション(製造時に出る微細な汚れ)と界面活性剤の吸着を抑えることに成功したとされます。

ePTFE系メンブレンには微細な孔が1平方センチメートルに何億個といわれるほど多数空いており、孔の大きさは水蒸気分子の700倍、水滴の2万分の1以下であるため、水蒸気は通しますが、水滴は通しません。

また孔があるため、通気性も持ち合わせています。しかし衣服に用いる場合は、膜が硬いためストレッチ性が無く、柔軟な風合いに欠けるという欠点があります。

また、上記のとおり皮脂などにより微細孔が詰まると性能が劣化するため、現在でも内側に汚染防止用のコーティングを施したものと、独自にノンコートのまま汚染防止を実現したものがあります。コーティングがあるものは性能を長く保持するという意味での耐久性に期待できるものの、透湿性が犠牲となっています。


3.無孔質PUメンブレンとは?吸湿拡散型の防水膜

無孔質PUラミネートタイプ :防水性、防風性、ストレッチ性に優れたモデル。

メンブレンの原料となる樹脂を専用の紙にコーティングし、乾燥後に紙を剥がすことで作られます。

無孔フィルムのラミネートタイプであるので防水性、防風性、そして縦横ともに高い伸縮性があります。一方で、透湿性能、撥水性能はコーティングタイプやPTFEフィルムラミネートタイプに一歩劣ります。

無孔質PUラミネートタイプの仕組みは、ウェア内部の蒸気濃度が高くなると水分を一度メンブレン内に保水します。一時的に保水しますが、その後保水した水分が気化して蒸気濃度の低い外部へ透湿するというメカニズムになっています。この仕組みは「吸湿拡散型透湿」と呼ばれます。

ややこしい話をしましたが、このタイプは『一気に外に放出するのではなく、一度ウェア内に水分を溜め込んでから放出する』ということです。

無孔なので、皮脂の汚れなどによる目詰まりがなく、また膜に孔が開いているePTFEや多孔質PUは薄くすればするほど破れやすくなるため軽量化に限界がありますが、無孔質PUは無孔のため限界まで薄くすることが可能で、軽量化しやすいとされます。ただし通気性がなく、加水分解しやすいデメリットがあります。


4.多孔質PUメンブレンとは?ストレッチ性と透湿性

多孔質PUラミネートタイプ:ストレッチ性と透湿性に優れたモデル。

パーテックスシールドプロがこのタイプに該当します。

多孔質PUの作り方は、基布にメンブレンの原料となる樹脂をコーティングして水の中を通すことにより、分子レベルの微細な気泡が抜けることで水蒸気の通り抜ける孔となり、多孔質膜が形成されます。

ややこしいことを言いましたが、ざっくり言うと『穴が開いているPUタイプ』ということです。つまり無孔質PUタイプの欠点である通気性が確保されるということです。

この多孔質PUラミネートタイプは代表的なものとして「ポリエステル系PU」「ポリエーテル系PU」「ポリカーポネート系PU」の3つがあります。

ポリエステル系PUは多孔質膜の原料として使われることが多く、加水分解による劣化が速いため、耐用期間が比較的短い衣料や靴などの用途に使用されることが多い原料です。PETボトルの材料などとして一般的に使われている素材で、リサイクル性に優れるという特徴があり、環境意識の高いメーカーが多く採用している素材でもあります。

ポリエーテル系PUは価格が安価で柔軟な風合いを持ち、ポリエステルよりは耐加水分解性に優れています。

ポリカーポネート系PUは加水分解までの時間が長く、PU系の中では耐光性や耐久性に最も優れているとされますが、その一方で皮膜が硬く風合いを損なうとされます。

いずれもePTFE系に比べてストレッチ性に優れているのが特徴ですが、一方で加水分解による劣化が起こりやすいという欠点があります。


5.親水性素材と疎水性素材とは?

親水性は水との親和性が高く水に溶解しやすい性質のことで、疎水性とは水を弾く性質のことです。

今まで紹介したメンブレンにおいては、無孔質PUは親水性ePTFE・多孔質PUは疎水性の性質を持ちます。

親水性素材であっても、防水素材である限りは水を通しませんが、透湿のメカニズムとして衣服内の水蒸気をいったんメンブレン内に保水してから外部に気化するというメカニズムとなります。

一方、疎水性素材は微細な孔から水蒸気をそのまま放出するので、蒸発が妨げられることがないとされます。


防水透湿素材の仕組みや、メンブレンの種類ごとの特徴が少しクリアになったのではないでしょうか。(私自身だいぶ理解が進んだ気がしました!)

次回は、これらの素材と密接に関係する「撥水加工」に関して解説していきます。

防水性を長持ちさせるコツにもつながる内容なので、ぜひチェックしてみてください!

レインウェアの基礎知識【撥水加工】【PFCフリー】【シームテープ】"

前回のレイヤーと防水透湿素材についての記事はこちら↓↓

レインウェアの基礎知識【レイヤー】【防水透湿素材】"